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ニュース・フラッシュ

2016年7月26日 シドニー 山下宜範

豪:South32社、2016/17年度は利益が改善し、資産買収も実施していくとの見方

2016年7月21日、South32社は2015年4~6月の四半期の生産実績を発表。主要な10鉱種のうち生産量が前年を上回ったのはアルミナと亜鉛だけであった。

WA州のWorsleyアルミナ工場においては生産量が396万tとなり生産目標は僅かに上回った。また、原料炭を産出するNSW州のIllawarra炭鉱の原料炭の生産量は706万tとなり、こちらも生産目標を2%上回った。この他、NT準州におけるマンガン鉱山やコロンビアのCerro Matosoニッケル鉱山も共に生産目標を1%上回った。

しかし、QLD州のCanningtonのベースメタル鉱山ではミルの故障が響いて僅かに生産目標を1%下回った。しかしながら、これは懸念を与える要因とはならず、業界全体でのベースメタルの生産削減と共に、価格の改善を支持する形となった。Cannington鉱山で生産される銀、亜鉛及び鉛のうち、銀の価格は過去6か月で45%上昇し、亜鉛も2015年10月にGlencoreがCanningtonに隣接する数カ所の鉱山の操業を停止して以降、価格が改善している。

22日付け地元紙によれば、アナリスト達は同社の利益について、2014/15年度は5億7,500万US$(7億6,700万A$)であったのに対し、2015/16年度は8,000万US$にまで減少すると予測している。しかし、2016/17年度の利益は、2016年1月中旬以降のコモディティ価格の上昇により4億3,500万~6億3,000万A$にまで回復すると予測している。

なお、South32社は、2016年6月、カナダのNorthern Shield Resources社との間で、銅、ニッケル及びプラチナが有望とされる同国Huckleberry鉱区の50%の権益のファームイン契約を締結した。地元紙によれば、South32社は強靭なバランスシートを背景に今後も更なる資産買収を行うのではないかとみられている。

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