ニュース・フラッシュ
2016年8月9日
シドニー
山下宜範
豪:WA州環境保護庁、地下生物への影響懸念でウラン鉱山の開発申請の却下を勧告
2016年8月4日付けの地元紙によれば、WA州の環境保護庁は、カナダのCameco社から提出されていたYeelirrieウラン鉱山の開発の認可申請を却下するよう同州の環境大臣に勧告した。Yeelirrieウラン鉱山はパースの北東650㎞に位置している。Cameco社は2012年にBHP Billitonから同鉱山の権益を4億3,000万US$で取得しており、22年間で3,850t/年のイエローケーキを生産する計画であった。
環境保護庁によれば、この地域の地下水域ではエビに似た約70種の小生物の生息が確認されており、今回の開発によりこれらの種が脅威にさらされるとして今回の勧告を出した。また緑の党の上院議員や反原発団体なども同様にこれら小生物への影響を指摘して開発に反対していた。
Cameco社は今回のEPAの懸念は解消できると述べ、また、最終的な決定は同州の環境大臣次第であると述べている。ただし、現状のウラン価格の下では同鉱山の開発は経済的に見合わないとも述べている。同じくウラン鉱山の開発企業であるViny Resource社は、これらの小生物の存在が他の鉱山の開発の際にも問題にされることを懸念している。なお、今回の勧告については2週間のパブリックコメントの期間が設けられる。
