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2016年10月24日 リマ 迫田昌敏

ペルー:Las Bambas鉱山争議、周辺地域は45日間の抗議停止に概ね合意も一部は抗議継続

2016年10月22~24日付け地元紙各紙によると、Las Bambas鉱山(Apurimac州)への抗議や道路封鎖を行っていた住民1名が死亡したことを受けて10月17日から開始された無期限抗議デモへの対応を目的として、ペルー政府はVizcarra副大統領、Perez法務大臣、Hernandez農業大臣等から成る政府代表団を現地派遣し、10月22日に対話が実現した。その結果、6つの区の代表者や指導者らが45日間の抗議活動停止に合意した一方、抗議デモが開始された地域で、鉱山操業による影響を最も大きく受ける4つのコミュニティ(Quehuira、Choquecca Antuyo、Pumamarca、Allahua)は鉱石輸送トラックの粉じん問題やコミュニティ内の道路利用に対する補償等の要求が受け入れられるまで抗議を続ける方針を示している。

およそ3時間にわたって実施された対話協議会では、地元コミュニティや自治体から、2013年に住民参加プロセスを経ず変更されたEIAに対する見直しや、粉じん問題が起きている鉱山アクセス道路のアスファルト舗装のほか、鉱山における利益の5%を自発的拠出金として求めること等の要望が明らかにされた。

これに対してVizcarra副大統領は、EIAの変更では住民参加プロセスが行われるべきだったとしたほか、鉱山の費用負担によって道路のアスファルト舗装を行うよう求めた。さらに、政府として本地域の農業や牧畜業、医療、教育の向上に取り組む考えを示した。問題となっている道路沿いにはおよそ120家族が暮らしており、1日200台のトラックの通過による粉じんが家畜にも影響を及ぼすとしているほか、振動による住宅への損害を訴え補償を要求している。これらコミュニティは、過去に抗議デモの一時停止や対話協議を受け入れても、結局は合意内容が履行されてこなかったとして、あくまで抗議を継続する姿勢を示している。

なお、これら4つのコミュニティの指導者に対しては、Cotabambas郡の知事がデモの一時停止を受け入れるよう説得にあたる見通しとなっている。

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