ロシア：Rusal社、ウクライナによる対ロシア制裁対象へ

2016年10月19日付地元報道等によると、2016年10月17日、ウクライナ大統領は、対ロシア制裁の対象企業及び市民のリストを拡大する大統領令（第467/2016号）に署名し、Rusal社が制裁対象となった。

大統領令では、ウクライナにおけるRusal社の資産凍結、同国での商取引と資本持出しの制限、経済的・財政的義務の履行停止、政府調達への参加禁止、知的財産権の対象となる権利や技術の移転禁止を定めている。またウクライナ居住者に対し同社の有価証券取引も禁止している。

これに対し、Rusal社は、子会社や従業員の制裁リスト入りには正当性がないとして、Rusal社及び傘下企業がウクライナで生じている政治問題とは関係がなく、同国の国家安全保障に脅威をもたらすことも、経済発展を阻害することもないとしている。Rusal社は、同社に対する行為の法的分析を行っており、裁判で損害賠償を求める考えである。

Rusal社は、ウクライナでNikolaevアルミナ工場と、休業中のZaporozhyeアルミニウム・コンビナート（ZALK）の株式29.5％を所有している。Nikolaevアルミナ工場は、2015年にRusal社のアルミナの20.3％を生産している。