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- 金 ベースメタル
メキシコ:Ana Paula鉱山等の開発中の金プロジェクトの内部収益率(IRR)上昇
2016年10月25日付け業界紙等によると、2016年の鉱山開発費は、金価格が年初の1,100US$/ozから1,250~1,300US$/ozへと上昇をしていることから大幅に改善しており、メキシコで開発中の各プロジェクトの内部収益率(IRR)は24~45%へと上昇している。以下に幾つかの鉱山の状況を説明する。
・Ana Paula鉱山
加Timmins Gold社は、Goldcorp社のEl Sauzal鉱山プラントとインフラを買収した結果、40百万US$以上の初期設備投資額を削減することが出来た。その結果、同鉱山のある同社のGerrero州プロジェクトのIRR(金:1,200US$/ozで算出)は32.8%から43.0%に上昇した。なお、2015年時点で同鉱山は116,000oz/年を8年間生産できると評価されており、Timmins Gold社は本年8月に9.2百万US$のプラント建設費、2017年第3四半期のFS調査費を計上している。
・Argonaut Goldプロジェクト
Baja California Sur州に位置する同プロジェクトのIRRは、2012年に行った予備的経済性評価(Preliminary Economic Assessment;PEA)では66%(金:1,355US$/oz)であったが、現在は39%(金:1,200US$/ozで算出)となっている。同鉱山の寿命は15年から11年に縮小したものの、鉱石処理量は4百万tから6百万tに拡大している。同鉱山は初期投資額が88百万US$と経済性の面で非常に魅力的なプロジェクトであったが、2012年の環境影響評価(EIA)後の地域問題から開発スピードが鈍化したことが収益面に影響していると考えられる。
・Caballo Blancoプロジェクト
本年7月、Timmins 社は、Caballo Blanco鉱山をバランスシート強化目的に当初買収額の半額となる12.5百万US$でCandelaria Mining鉱山に売却したが、Veracruz州に位置する同鉱山は高い競争力を有している。2012年のPEAにおいて同鉱山のIRRは37.5%(金:1,200US$/oz)と評価させていた。
・Esperanzaプロジェクト
加Alamos Gold社が保有する同鉱山は、Morelos州の政治問題があり開発が中断しているものの経済的に魅力的であることに変わりはない。2011年のPEAにおいて同鉱山のIRRは26%(金:1,150US$/oz)、金年間生産量103,000oz(約3.2t)、初期投資額114百万US$と見込まれている。
・Media Lunaプロジェクト
加Torex Goldが保有する同プロジェクトは、当初25~45%の範囲でIRRが変化すると予想されていたが、2015年のPEAにおいてIRRは24.6%(金:1,200US$/oz)、また、同プロジェクトは、El Limón-Guajes鉱山と同じ地域に位置し、金年生産量は170,000oz(約5.3t)、同時に銀、銅の副産物が生産され、初期投資額は482百万US$と見込まれている。
