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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2016年11月4日 リマ 迫田昌敏

ペルー:環境省、Las Bambas銅鉱山のEIA更新の必要性を認める

2016年10月31日付け地元紙によると、環境省は、Las Bambas鉱山(Apurímac州)を巡る争議の原因のひとつとなっている2014年のEIA変更に関し、EIAの更新を行うべきだとの見解を示した模様である。

当初Cusco州Espinar郡に予定されていたモリブデン・銅分離プラント等のApurimac州Cotabambas郡への建設地変更や、パイプラインからトラックへの精鉱輸送方法の変更が、住民参加手続きを経ることなく行われたことに対し住民らは強く反発し、2015年9月末には死者が発生する争議に発展、政府が非常事態宣言を出す状況を招いた。これらの変更は、当時のHumala政権が投資の行き詰まり打開や促進を目的として公布した最高政令D.S.054-2013に基づき、本来のEIA修正ではなく、技術根拠報告書(ITS)の提出により迅速に行われた。

本件に関して、Galarza環境大臣はエネルギー鉱山委員会に対し、技術根拠報告書(ITS)によって行われた変更は、EIAの修正によって行うべき重大な変更だったとの見方を示した模様である。また、Alegre環境政策副大臣は、例として1日125台(6分毎)のトラック通過など、EIAの中に含まれず、評価も行われていない社会・環境インパクトがあることを認めた上で、同鉱山を操業するMMG社(本社メルボルン)はITSの提出や、新たなEIAの実施ではなく、既存のEIAの内容を更新することが望ましいとの考えを明らかにし、EIA更新により社会・環境面の影響が明らかになってはじめて補償額を算定することができるとの見解を示した。

またEIAの更新には約1年必要となるが、その間操業は継続すべきであると意見した。

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