豪：Alcoa社、VIC州Portlandアルミニウム製錬所がHazelwood発電所の閉鎖決定で苦境に

2016年11月7日、地元メディアはVIC州Portlandアルミニウム製錬所が同州Hazelwood発電所の閉鎖が決定したことによって苦境に立たされることを報じた。Alcoa社が操業を行う同製錬所では約3,000名が雇用されており、Hazelwood発電所から年間5,000MWhの電力を購入している。Hazelwood発電所はVIC州Latrobe Valley地域の褐炭を燃料にする発電所で年間10,000～12,000MWhを発電しており、VIC州の電力の12～15％を発電している。しかし、発電効率が低く、二酸化炭素排出量が多いため、2016年11月3日に2017年3月末までに閉鎖することが決定した。

同製錬所は新たな電力の購入先を探す必要があるが、VIC州が再生可能エネルギーの導入を推進しており、12か月で電力価格は60％上昇している。VIC州はアルミニウム価格低迷のため、同製錬所の電力購入費用の助成を行っていたが、10月31日に助成は終了した。同製錬所はVIC州で褐炭を燃料にしているLoy Yang A発電所、Loy Yang B発電所、Yallourn発電所を操業しているAGL Energy社と交渉を行う予定であるが、安価に電力を購入することは難しい状況である。地元メディアはVIC州からの助成がなくなれば同製錬所の経営が成り立たないと報じている。