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インドネシア:ニッケル鉱石輸出収入がなければ、PT Antamの製錬所建設資金が不足する可能性
2016年11月29日付地元メディアによると、国営鉱山公社PT Aneka Tambang(PT Antam)は、もしニッケル鉱石輸出禁止の緩和が認められない場合、同社が製錬所建設等、下流工程構築に投資するべき500mUS$のキャッシュフローが不足する、との見解を示した。
PT Antamは政府がニッケル鉱石の輸出を容認することを期待しているが、他社は鉱石の出荷が金属価格下落の原因となり、製錬所建設投資に損害を与えると主張している。PT Antamは北マルク州での製錬所建設に3.5兆IDR(258.9mUS$)の政府出資を受けているが、製錬ラインの追加とステンレス工場の建設に更なる資金が必要である。
同社は、金価格の上昇により、昨年度1.04兆IDRの純損失から一転して、今年9月30日の時点では383億IDRの純利益となっている。しかし同社にとって、ニッケル販売は未だに重要な収入源であり、鉱石輸出が禁止されていることから、収益力とキャッシュフローは弱まっている状況である。
一方、インドネシア政府は、税収及び雇用確保の観点から、鉱石輸出禁止を継続する意向を示している。海事調整省Luhut Pandjaitan大臣は、鉱石を輸出する必要性はなく、たった1社のために政策を修正することはない、と述べた。