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- 鉱種:
- 金 ベースメタル
メキシコ:2016年第3四半期の主要産金企業の鉱山コストは上昇の傾向
2016年12月5日付け業界紙等によると、2016年第3四半期にメキシコで操業している産金企業のコストは、生産減、品位低下、操業見直し等により上昇の傾向が見られたと報じている。15の主要金産出企業中9社は、前年同期比で直接コストが上昇している。
<直接コストが上昇した鉱山>
- 加Primero Mining社・San Dimas鉱山:前年同期比71%増の865US$/ozとなる。この要因は、労働者の不足による影響等により鉱山計画達成が困難な状況が背景にある。即ち、坑道開発、換気の最適化計画の遅延による高品位鉱石へのアクセスが制限されていることにある。
- 加Goldcorp社・Peñasquito鉱山:メキシコにおける最も経済的な同鉱山は、前年同期比58%直接コストが上昇した。この要因は、運用コストの低減と良好な為替効果による一部改善の状況下にあるにも拘わらず、生産している部分の粗鉱品位低下による金及び他の副産物の生産減による。
- 加Argonaut Gold社・La Colorada鉱山:前年同期比51%増、855US$/oz。この要因は、リーチパッドの老朽化の影響がある。
- 加McEwen Mining社・El Gallo鉱山:前年同期比32%増、598US$/oz。この要因は粗鉱品位低下による生産減による。
- 加New Gold社・Cerro San Pedro鉱山:鉱山寿命が迫っておりコストが上昇した。
- 加Alamos Gold社・El Chanate鉱山、994US$/ozから1,045US$/ozへと上昇。生産コストが最も高い鉱山となった。
<直接コストが低下した鉱山>
- 加Goldcorp社・Los Filos鉱山:前年同期比39%減、782US$/oz。この要因は、残留物質が11.3百万tから2.98百万tに減少したことが大きい。他方、同社は、この鉱山の売却を検討している。
- 加Timmins Gold社・San Francisco鉱山:前年同期の1,026US$/ozから785US$/ozへと大幅に減少。この要因は、剥土量の減少によるものである。
- Alamos Gold社・Mulatos鉱山:前年同期の979US$/ozから888US$/ozへと減少。この要因は、粗鉱処理量増加と回収率上昇によるものである。
- Agnico Eagle Mines社・Pinos Altos鉱山及びLa India鉱山:前者は、392US$/ozから343US$/ozへ後者は436US$/ozから400US$/ozへ減少した。それらの要因は、生産量増加と為替変動によるものである。また、前者鉱山には副産物である銀生産量の増加と市況価格高騰が加わった。
- 加Torex Gold Resources社・El Limon-Guaje鉱山:本年3月に商業生産に到達した同鉱山はメキシコ第5位の最低直接コスト鉱山に位置し517US$/ozとなっている。
