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- 鉱種:
- アルミニウム/ボーキサイト
豪:Alcoa社、VIC州Portlandアルミニウム製錬所が停電の影響で閉鎖の危機
2016年12月7日、地元各紙は米国Alcoa社がVIC州で操業を行っているPortlandアルミニウム製錬所について、停電による電気炉故障のため、閉鎖の危機に直面していることを報じた。12月2日に電力会社Ausnetが電線整備を行った際に停電が発生し、同製錬所の2つの電気炉のうち、製錬の60%を担っていた大型電気炉が故障した。同製錬所のシニアマネージャーは修理に3~6か月を要するとコメントしている。同製錬所は現在1/3の能力で操業を継続しているが、1日ごとに100万A$以上の減益となっている。Alcoa社は同製錬所の閉鎖判断を迫られており、操業コスト削減のために、従業員にクリスマス休暇取得を勧めている。
同製錬所は30年前からPortlandで操業を続けており、年間35万8,000tのアルミニウムを生産し、豪州のアルミニウム生産の約20%を占めている。約500名を雇用し、約2,000社と業務を行っているため、同製錬所が閉鎖した場合、人口1万人のPortland地元経済にとって大きな痛手となる。
豪州労働者協会(AWU)は同製錬所の停電によるダメージは深刻であるため、政府の支援が必要と訴えているが、VIC州政府は政府が支援を行う判断をするには時期尚早とのコメントを発表している。一方、連邦政府のGreg Hunt工業大臣は「連邦及び州政府がAlcoa社のサポートについて共に検討する」とコメントしている。
なお、同製錬所はVIC州Hazelwood発電所が2017年3月末に閉鎖することが決定したことにより、新たな電力の購入先を探すことが必要となっているが、再生エネルギーの普及を推進しているVIC州では、安価に電力を購入することが難しい状況となっている。
