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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2017年1月6日 リマ 迫田昌敏

コロンビア:Angostura金銀プロジェクト、IFCが融資撤回

2016年12月21日付け地元紙によると、世界銀行グループのIFC(国際金融公社)は、Angostura金銀プロジェクト(Santander県)に関し、同プロジェクトを100%保有するEco Oro Minerals社(本社バンクーバー)に対する融資を撤回した。

同公社によると、最近の調査により、同プロジェクトが地域社会や環境にネガティブなインパクトを与えることが明らかになったとし、融資撤回に踏み切った。これに対し、米州環境防衛協会(Asociación Interamericana para la Defensa del Ambiente、AIDA)は、この決定に満足の意を表した。1990年代半ば以降2015年まで探鉱作業に250百万US$を投じたという同社は、本件の解決策をめぐりコロンビア政府と交渉中である。

2016年2月、同プロジェクトを含むエリアは、コロンビア憲法裁判所により、SanturbánのParamoエリアとして、生態系保護のための鉱業活動禁止の決定を受けた。2016年3月、同社は、これをカナダとコロンビア間の自由貿易協定違反として、コロンビア政府に仲裁の申し立てを行った。2016年8月、国家鉱業庁(ANM)は、探鉱段階の鉱業権の延長申請に関連して、Paramoエリアに入る同鉱区の50.73%の延長を認めなかった。2016年12月8日、同社は、コロンビア政府を相手取り、世界銀行投資紛争解決国際センター(ICSID)に仲裁申請を提出した。

同プロジェクトは、NI43-101ベース、カットオフ品位金2.5g/tでの精測及び概測鉱物資源量として金2.21百万oz(約69t、品位4.57g/t)、予測鉱物資源量として金1.03百万oz(約32t、品位4.70g/t)を持ち、これまで1,068孔362,520mのボーリングと3千m以上の坑道探鉱が実施されているものの、深部方向に探鉱余地が残されているという。同社は、年産金量平均269千oz(約8.4t)で、10年間のマインライフを想定していた。

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