ニュース・フラッシュ
2017年1月19日
シドニー
山下宜範
豪:鉱山や建設関連の労組が、海事労組と合併予定、連邦政府は阻止する意向
2017年1月7日付けの地元紙によれば、鉱山、建設等に係る労働組合である「建設・林業・鉱山及びエネルギー労働組合(CFMEU)」は「海事労働組合(MUA)」と合併する予定である。
両組合は豪州において最も攻撃的な組合であり、組合員数はCFMEUが10万人以上、MUAが1万4千人程度である。両組合は2016年12月14日に合併に向けてMOUを締結したが、MUAの規模が小さいことから、一部の組合員からは、CFMEUと合併すれば少数意見が封じられて組合としてのアイデンティティが失われるとして、合併に反対する声があがっている。
他方、経営者側は巨大な労組が誕生することに対して懸念を示している。Turnbull首相率いる連邦政府はCFMEUとMUAの合併を阻止する意向であり、このため、労組の合併の承認の審査に際し、公正労働委員会に対して、過去の労組の違法行為の履歴を考慮させる「公益性検査」を行わせる法令を制定する考えである。