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ニュース・フラッシュ

鉱種:
アルミニウム/ボーキサイト
2017年1月23日 シドニー 矢島太郎

豪:Alcoa社、Portlandアルミニウム製錬所存続のためVIC州政府及び電力会社が支援を決定

2017年1月20日、地元各紙は米国Alcoa社がVIC州で操業を行っているPortlandアルミニウム製錬所の電気炉が停電により故障したため、閉鎖の危機に直面していたが、VIC州政府が4年間で2億3,000万A$の助成を行い、さらに電力会社AGL社が同製錬所との安価な電力料金での契約に応じたため、存続可能となったことを報じた。
同製錬所は30年前からVIC州で操業を続けており、年間35万8,000tのアルミニウムを生産し、オーストラリアのアルミニウム生産の約20%を占めている。また、VIC州電力の10%を一社で消費する最大の電力消費者でもある。
VIC州政府の助成金のうち、3,000万A$は12月2日に停電で故障した電気炉の修理に充てられ、2億A$はAGL社から電力を購入する際の4年分の助成金となる。Alcoa社は早速電気炉の修理を開始する。AGL社は契約金額を非公表としている。
経済アナリストは、520名が働くに過ぎないPortland製錬所を存続させるために、VIC州の州民が代償を支払うことになり、同製錬所の存続によって電気料金も上昇するため、VIC州政府の判断を非難している。また、電力を多く利用する企業も電力価格が著しく上昇していることを背景に、AGL社が一社を救済する措置に不満を示している。
VIC州及び連邦政府は、同製錬所が閉鎖した場合、2017年3月末に閉鎖するEngie社のVIC州Hazelwood褐炭火力発電所に続いて、同州のYallourn褐炭火力発電所の閉鎖につながるため、再生可能エネルギーを積極的に推進しているVIC州に電力不足が生じることを懸念して同製錬所の支援を判断したのではないかと各紙は報じている。

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