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ニュース・フラッシュ

鉱種:
アルミニウム/ボーキサイト
2017年1月24日 シドニー 山下宜範

豪:Rio Tintoのアルミニウム製錬所、QLD州の電力価格高騰で生産削減

2017年1月19日、Boyne Islandアルミニウム製錬所は、電力価格の高騰により、生産量を8%削減すると発表した。同製錬所はQLD州のGladstoneに位置しRio Tintoが59%出資している。2016年のアルミニウムの生産量は583,000tである。
同製錬所における使用電力のうち、85%はGladstone石炭火力発電所(Rio Tintoが42%出資)との長期契約、15%はスポット市場からの調達となっている。QLD州では今夏は気温が上昇し、2017年1月18日には電力需要が前年の記録を上回る過去最高を記録し、電力のスポット価格も高騰している。
同製錬所によれば、2017年に入ってからの電力価格は2016年の平均と比較して約3倍になっておりフル生産を維持することが出来ないとしている。このため同製錬所は2017年のアルミニウムの生産量は45,000t減少する予定である。これは現在のアルミニウムの価格に換算すると1億A$以上の損失となる。また従業員も30名削減する予定である。
他方、地元紙によれば、州営の電力会社のStanwell社やCS Energy社は、以前これらの電力会社が提示した電力売買契約を同製錬所が受け入れていれば危機を免れたはずだと主張している。これらの電力会社によれば、当時提示した電力価格はスポット市場よりも安いものであったにもかかわらず、同製錬所側は採算が合わないとしてこれを拒否していた。
なおBoyne Island製錬所が電力価格の上昇で生産を削減するのは過去3年間で2度目である。また豪州のアルミニウム製錬所が電力問題の影響を受けるのは過去1年間で3例目である。残りの2例はTAS州のRio TintoのBell Bayアルミニウム製錬所が水力発電所の貯水減少と海底ケーブルの故障による電力不足で操業縮小に追い込まれた例、VIC州で発生した停電でAlcoa社のPortlandアルミニウム製錬所の設備が故障した例である。

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