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- 銅 ベースメタル
チリ:Escondida銅鉱山、労使交渉延期によりストライキ終了
2017年3月23日付けメディア報道によると、Escondida銅鉱山最大の労働組合(sindicato N°1:組合員数約2,500人)が2月9日に開始したストライキは、43日目の3月23日に労働組合側が労働法第369条の行使を組合集会で決定したため、終了となる見込みとなった。n3月20~22日にEscondida銅鉱山の労使間で直接の協議が行われ、労働組合が要求していた7%の賃上げ、2,500万ペソのボーナス、労働時間の変更および勤続年数を考慮した給与額の決定について話し合われたが妥結に至らず、組合側は3月23日、労働法第369条の行使を労働局に通知すると宣言した。
労働法第369条の行使により、現行の労働契約を18カ月延長することが可能となるが、労働者は速やかに職場に戻らなければならない。また、新しい労働契約が締結されたときに企業が支払う伝統的な紛争終結金を労働者は得ることができないため、チリの鉱業界における労使交渉ではほとんど行使されてこなかった。ちなみに、2013年1月に行われたEscondida銅鉱山の契約交渉妥結後、同鉱山は各従業員に2,300万ペソのボーナス(当時の為替レートで約49,000US$相当)を支払っている。nEscondida銅鉱山の次の契約交渉は、2018年6月1日に予定されており、2017年4月に施行される新しい労働法の下で実施される。新しい労働法は労働者側の交渉権をより強めるものとなっており、労使交渉中、企業は労働組合とのみ交渉を行わなければならず、また、労働者の入れ替えもできなくなる。nEscondida銅鉱山のMarcelo Castillo社長は、労働組合の宣言が正式なものであれば、労働者達は3月25日にも仕事を再開しなければならないとし、会社側が労働組合に出した提案は3月28日まで有効であり、再検討の余地は残されているとした。また、新労働法下での交渉は労働者側に有利な契約条件となる可能性が高く、既存の操業計画について、短期および中期計画の両方の見直しが必要になると述べた。
