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ニュース・フラッシュ

鉱種:
タングステン タンタル
2017年4月6日 ロンドン ザボロフスキ真幸

英:英コンサルタント会社、紛争鉱物地域がアフリカを超えて拡大していると警告

英グローバルリスクコンサルタントVerisk Maplecroft社が2017年4月6日に発行したCommodity Risk Serviceのレポートによると、紛争鉱物地域としてこれまでDRコンゴ及び周辺地域に焦点が当てられてきたが、ミャンマー及びコロンビアでも武装勢力下で錫、タンタル、タングステン、金(3TG)が産出されている。ミャンマー北東ではUnited Wa State Armyが錫産出に関わっており、コロンビアではELN武装勢力が金及びタングステンの産出に関わっているという。Verisk Maplecroft、Commodities Research DirectorのStefan Sabo-Walsh氏は、「米紛争鉱物開示規則では、DRコンゴ及び周辺地域を対象とした3TG鉱物を使用する企業に対して報告義務及びトレーサビリティを求めているため、サプライチェーンの至る所で無数のリスクが発生しているにもかかわらず、テクノロジー企業に当該地域のみにフォーカスするようにしてしまっている。」と述べた。レポートでは、紛争鉱物産出に関する20項目の人権及び環境問題を評価しており、その中で、錫は労働権違反のリスクが最も高いとされた。DRコンゴ以外ではボリビア、ミャンマー、インドネシアといった錫産出国で児童労働が“extreme risk”と評価され、これに中国、ペルーを含む5か国が強制労働で“high risk”と評価された。また、タンタル産出も児童労働に深い結びつきがあるとされ、モザンビーク、ブルンジ、ルワンダといった国が“extreme risk”と評価された。Verisk Maplecroft社によると、児童労働及びその他の人権侵害は国際基準を順守する責任のある国際的な鉱業会社では問題になる可能性は非常に低いという。問題は、テクノロジー企業が自社製品に使用される金属の調達先における把握の欠如、鉱山または製錬業レベルでのサプライチェーンでの認知度の欠如により起こることが多いとした。

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