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ペルー:環境省が新しい大気環境基準案公開、SO2最大排出量の緩和方針示す
2017年4月10日付け地元紙によると、環境省は、大気環境基準の改正法案を公開した。本法案では、大気に含まれるSO2の排出許容量を20 μg/㎥から250 μg/㎥へと緩和すること等が提示されており、今後10日間かけて意見聴取が行われる。大気環境基準はSO2をはじめ、二酸化窒素、鉛、PM2.5、PM10、一酸化炭素、オゾン等合計10項目のパラメータから構成されている。環境省は、今回の改正はあくまでも大気の質の向上を目的としたものであり、鉛の排出許容量は変更されていないほか、PM10に関しては150 μg/㎥から100 μg/㎥へと厳格化されたこと、SO2に関しては、ペルーにおける現行の20 μg/㎥は世界保健機関(WHO)が理想値として示す値だが、実際の排出許容量として適用している国は他に存在しないとコメントした。なお、La Oroya精錬所に関しては環境対策修正書(IGAC)に基づく特例措置により、2013年から365μg/㎥のSO2排出が許容されているが、段階的に法定基準値達成まで削減することが定められている。SO2排出許容量の緩和は、La Oroya精錬所入札に関心を持っていた企業や、精錬所労働者によって要求されていたが、新基準が公開されない間に入札が実施され、不成立に終わった。新たな排出許容量となる250 μg/㎥は、周辺のチリ、コロンビア、メキシコと同等の排出基準となっている。
