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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル レアメタル
2017年4月27日 ロンドン 吉益英孝

ポルトガル:INSGのニッケル需給予測、2017年の供給不足幅は46.7千t

2017年4月25日から26日にかけて、ポルトガル・リスボンで国際ニッケル研究会(INSG)が開催され、加盟国政府及び産業界から多数が参加し、ニッケル市場動向について議論が交わされた。統計委員会では、ニッケルの2016年の実績見込み及び2017年の需給予測が協議され、ニッケル需給バランスについて、2016年10月秋季会合において推計した2016年の供給不足幅66.6千tを38.3千tに縮小し、2017年には46.7千tの供給不足になる。
供給サイドについて、ニッケル鉱山生産量は、2016年は前年比6.8%減の2,005.7千t、2017年は前年比8.0%増の2,167.0千t。一次ニッケル生産量は、2016年は前年比0.7%増の1,988.9千t、2017年は前年比3.9%増の2,067.1千tと見通した。2016年の鉱山生産量については、フィリピンにおいて天候不順や低価格が影響したことに加え、環境規制によって操業の延期や停止が相次いだことで生産量が減少した。一方、インドネシアは2017年1月に鉱石輸出禁止令を緩めることを発表しており、中国のNPI生産が上向く可能性がある。
需要サイドについて、一次ニッケル消費量は、2016年は前年比7.7%増の2,027.2千t、2017年は前年比4.3%増の2,113.8千tと予測した。増加の要因として、2016年ほどではないにせよ2017年もステンレスの生産が伸びることが予測されること、またステンレス以外の用途でも、各種合金、電池材料向けなどの需要に期待感がある。

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