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- 金 ベースメタル
豪:中国のShandong Tyan社、引き続きSuper Pit金鉱山の権益獲得を図るとの見方
2017年4月24日付けの地元紙は、中国のShandong Tyan Home社は、引き続きSuper Pit金鉱山(WA州)の50%分の権益の獲得を図ると報じている。本件については4月21日付けのメディア報道において同社は同鉱山の権益獲得から撤退したと報じられていた。
Shandong Tyan社は4月20日に上海証券取引所においてSuper Pit金鉱山は同社が進める事業の再構築には含まれてないと発表したため、同鉱山の権益獲得から撤退したと報じられたが、地元紙は、同社に近い関係者の話として、この事業の再構築が完了すれば同社は引き続き権益獲得を進める予定であると報じている。
ただし地元紙は、最近中国政府が、中国企業による海外での買収に対して取り締りを強めており、特に10億US$以上の案件を中心に審査を強化していること、また、豪州においても外国投資審査委員会が承認に慎重になっていることから、これらは中国から豪州への投資が減速する要因になるかもしれないと報じている。
なお、4月20日、Shandong Tyan社は、Southern Cross金鉱山(WA州)を操業するHanking Australia社(中国企業の子会社)の買収を完了させたと発表している。買収金額は3億3,000万A$である。また以前にはShandong Tyan社の子会社であるMinjar Goldを通じてEvolution Mining社からPajingo金鉱山(QLD州)を5,200万A$で買収している。
Super Pit金鉱山は豪州最大規模の露天掘りの金鉱山である。2016年は754,000 oz(約23.5t)の金を産出し、これはBoddington金鉱山(WA州)に続いて豪州第2番目の産金量であった。Super Pit金鉱山はカナダのBarrick Gold社と米国のNewmont Mining社が各々50%の権益を保有している。このうちBarrick Gold社は負債の削減とキャッシュポジションの増加を図るため事業の整理を進めており、同社は同鉱山の50%分の権益を売りに出していた。この権益売却には幾つかの企業が関心を示していたが、Shandong Tyan社が他社の提示額を上回る13億A$を提示していたと報じられている。同鉱山の50%分の権益を有するNewmont Mining社も関心を示していたが価格の問題で買収を断念していたと報じられている。
