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- 亜鉛 ベースメタル
ペルー:亜鉛生産に対する2017年3月の洪水の影響
2017年5月8日付け地元紙および既報を抜粋して、ペルーの亜鉛生産に対する2017年3月の洪水の影響を以下のとおり取りまとめる。最大の亜鉛生産者で、2016年亜鉛生産量273,400tのVolcan社(本社リマ)は、2017年生産量見込みを265~275千tとしていたが、輸送路の寸断によるYauliユニット(Junín州)とChungarユニット(Pasco州)の不可抗力宣言で、第1四半期の生産量が、前年同期比17%減の59,500tとなった。2016年亜鉛生産量261,468tのAntamina鉱山(Ancash州)は、採掘対象が高亜鉛品位のスカルン鉱体へ移ることから340~350千tの2017年生産量見込みを示しているが、33.75%権益を保有するGlencoreが5月4日に公表した同社分の第1四半期亜鉛生産量24.5千tから計算すると同期生産量は約72.6千tとなり、土砂崩れで送鉱パイプラインが一時的に閉鎖された影響がうかがえる。2016年亜鉛生産量258,673tのブラジルVotorantim Metais社傘下のMilpo社(本社リマ)では、同社の主力亜鉛鉱山Cerro Lindo鉱山が、非常事態宣言が出されたIca州に位置しているため、まだ第1四半期業績が明らかになっていない。Buenaventura社(本社リマ)傘下のEl Brocal社(本社リマ)は、2016年亜鉛生産量が57,385tで、Colquijirca鉱山選鉱プラント18,000tpdへの拡張工事完了により2017年の生産目標を70~80千tとしていたが、4月27日に公表された同社第1四半期業績では、同期の亜鉛精鉱生産量は前年同期比58%増の34,407tであったものの、精鉱中亜鉛販売量が16,843tで、洪水による鉄道の不通の影響も考えられる。
2017年初、ペルーの大手銀行Scotiabank(本社カナダ)は、2017年の亜鉛生産量について、2016年の1.34百万tから、Antamina鉱山、El Brocal社の増産やBuenaventura社のTambomayo金銀亜鉛プロジェクトの操業により、1.6百万tに増産されるとの見通しを明らかにしていた。
