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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2017年5月15日 シドニー 山下宜範

豪:Broken Hill鉱山からの粉じんで子供の血中の鉛レベルが上昇:調査報告

2017年5月9日付けの地元メディアは、NSW州のBroken Hill地域の子供たちの血中の鉛レベルが高いのは、現在操業中の同地域内の鉱山の堆積場から飛散した鉛を含む粉じんの影響によるものだとする最新の調査結果を報じた。
これまで鉛の発生源は、これまで操業してきた鉱山に加えて、地下の鉱石、有鉛ガソリン、塗料等によるものではないかとされてきた。しかし、Macquarie大学のMark Taylor教授は、地域内のセンサーから集められたデータによれば鉛を含む粉じんの多くはPerilya社が操業するBroken Hill鉱山のSouthern Operation部分からのものであると結論付けた。
一方、Perilya社は同鉱山が発生源の一つであろうことは否定しないものの、同社も事実関係を調査すると共に、モニタリングシステムも設置して、定期的に報告しているとしている。同社はNSW州の環境保護庁との間で汚染削減計画について協議し、100万A$以上をかけて粉じんと排水管理の改善を図っている。
これまでNSW州政府は数百万A$をかけてBroken Hill地域の子供達の鉛の曝露を低下させて血中の鉛のレベルを引き下げる取り組みを行った来たが、Broken Hill地域のアボリジニの子供達の80%は血中の鉛のレベルが国の曝露のガイドラインを上回っている。また先住民以外の子供達の3分の1以上も同様に血中の鉛のレベルが同ガイドラインを上回っている。

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