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ニュース・フラッシュ

2017年6月16日 ロンドン ザボロフスキ真幸

南ア:鉱業憲章に対する各アナリストの見解

2017年6月15日に公表された鉱業憲章に対し、報道によると各アナリストがそれぞれ見解を示している。鉱業憲章では、黒人株式保有比率は26%から30%に引き上げられているが、それに対し、Avior Capital Markets社はGlencore、Impala Platinum Holdings社、South 32社、Kumba Iron Ore社といった鉱山会社は鉱業憲章でこれまでの取引が考慮されない場合、最大権益を売却する可能性が出てくると指摘した。また、Sibanye Gold社、AngloGold Ashanti社も大きく影響を受けるだろうと指摘した。
また、Vunani Securitiesの鉱業アナリストHurbey Geldenhuys氏は、鉱業憲章は鉱業界における外国投資家の退却を招き、配当支払いの引下げ、更なる失業率増加を招く可能性があると指摘した。特に黒人株式保有比率の30%への引き上げは、既存株主を弱体化させ、結果として投資を引き上げる可能性に繋がり、特に外国投資家に対してネガティブな影響を与えるだろうと警告した。一方、Herbert Smith Freehillsの鉱業弁護士Peter Leon氏は、鉱業憲章は法律制定において不備がいくつかあると指摘している。鉱業憲章では、年間売上高の1%を黒人株式保有者に支払うとされているが、同氏は株主にとって不平等になるとし、企業が配当支払いの前に売上高の1%を提供するのは会社法に反すると指摘した。さらに、BEE企業から鉱業資材70%、事業全体のサービス80%を調達する必要があるとされたことに対し、世界貿易機関(WTO)協定に反する可能性があるとも指摘した。しかし同氏は、鉱業憲章で企業は労働者のための住宅・居住条件計画を公表する義務を定めたことは評価すべき点であると指摘した。

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