閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2017年6月17日 メキシコ 佐藤すみれ

グアテマラ:加Bluestone Resources社保有のCerro Blanco金プロジェクト開発状況

2017年6月13日付け業界紙は、加Bluestone Resources社が保有するCerro Blanco金プロジェクトは、品位が高く中米地域で最も低コストであり、経済ポテンシャルを有する金鉱山であるが、グアテマラの隣国エルサルバドルから同プロジェクトに対する反発が起きており、開発に赤信号が灯る可能性がある旨報じている。
同プロジェクトはグアテマラシティ南東160㎞、エルサルバドル国境付近に位置する。プレFS調査の結果、坑内採掘鉱山を建設予定で採掘量は1,250t/日と推定されている。また、同社は7.5㎞の送電線と変電所、5.5㎞の道路を建設予定で、工事期間は18か月を要する。推定鉱山寿命は9年で、その間の推定生産量は金952,000oz、銀3.14百万oz、金年間生産量は平均105,000ozとなる見込み。4百万tの鉱石を採掘する計画で、含有量は金8.15g/t、銀27.9g/t。回収率は金91.3%、銀87.8%と推定されている。同プロジェクトの概測鉱物資源量は金1.24百万oz、銀4.47百万oz。Cerro Blancoプロジェクトは周辺地域で最も高リターン、低コストが期待できるプロジェクトであり、金資源による高い収益性が見込まれている。プレFS調査によると、全維持コスト(AISC)は金490US$/ozと推計されている。CAPEXは171mUS$、鉱山寿命期間中の投資額は105mUS$となる見込み。同社はプロジェクト開発期間中によりコストを下げるべく、中古機器の購入を検討している。同社は、2017年5月に加Goldcorp社から同プロジェクトを買収したが、Goldcorp社が保有する機器の優先購入権も得ている。しかしながら同プロジェクトは開発反対派との問題にも直面している。2013年にはエルサルバドルのNGO団体が水質汚染の可能性を指摘したことからプロジェクトが中断した。その後エルサルバドルでは金属鉱業が全面禁止となっている。グアテマラにおいても鉱業への反対意見により、これまで何件ものプロジェクトが中断されてきたため、反対派との関係構築は大きな問題となっている。グアテマラの環境団体が先住民の権利を主張し、加Tahoe Resources社が保有するTamborプロジェクトが中断されている。NGO団体がCerro Blancoプロジェクトに対してもこのような反対運動を進めるかは不明である。このようにCerro Blancoプロジェクトには経済的メリットがある一方、2か国の社会的問題を解決する必要がある。

ページトップへ