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ニュース・フラッシュ

2017年6月19日 北京 森永正裕

米:中国・盛和レアアースが主導する財団、Mountain Passレアアース鉱山の処分権を落札

安泰科によれば、2017年6月14日、Mountain Passレアアース鉱山破産による競売が行われた。投資会社であるJHL Capital Group、QVT Financial社と中国・楽山盛和レアアース株式有限公司は財団を発足し、Mountain Passレアアース鉱山処分権を落札した。落札額は2,050万US$であった。Mountain Passレアアース鉱山はCA州にある露天掘り鉱山で、米国にとって唯一のレアアース供給源である。
今回の競売において、競争相手であったバージニア州の企業家Tom Clarke氏は、競売の結果について、国家安全への影響に関して疑義を持っている。携帯電話から兵器システムまで含む電子設備で若干のレアアースが使用されており、中国は世界的にレアアース供給をコントロールしている。中国の貿易政策が厳しくなれば、Mountain Pass鉱山は米国にとって重要な国家資源になるに違いないと述べている。同氏は競売入札で2,000万US$という最高価格を出しだが、その後落札を断念した。同氏は国家安全に関する敏感性を考慮して、今回のJHL社、QVT社及び盛和レアアースによる買収取引は敗北させるべきだということを破産法廷に提案する予定。
盛和レアアースは、JHL社とQVT社の技術面の協力パートナ―として、レアアース採掘分野で十分な経験を持っている。5月に盛和レアアースが破産法廷に提出した新聞記事によると、同社はJHL社、QVT社と共同で関連共同出資プロジェクトに対し5,000万US$を融資する。同社は、当該プロジェクトに対し技術と販売サービスを提供する見込み。Mountain Pass鉱山が採掘した製品における利益分配、代理販売権及び一時の独占販売権を獲得することができる。
レアアース価格が低下したため、Mountain Pass鉱山は2015年6月から採掘を停止し、破産保護状態にあった。トランプ氏が米国の大統領に当選した後、米国は中国との間の貿易競争が始まる恐れがあるため、当該鉱山は再び重要な資産になった。
盛和資源持株株式有限公司は、2017年5月25日に「子会社楽山盛和レアアース株式有限公司に対し契約履行保証提供に関する承認」公告(公文番号:臨2017-046)を発表した。それによると、米国法廷は、2017年6月23日午後2時公聴会を開き、当該資産の買収契約に関する承認・否認について裁決を下す予定。

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