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- 鉱種:
- 銅 銀 亜鉛 マグネシウム
メキシコ:2016年Peñoles社の操業状況-Rey de Plataプロジェクト、2018年に生産開始-
2017年6月23日付け地元紙は、Peñoles社の2016年の操業状況等を報じている。概要は以下のとおり。
1887年に創設され、世界最大級の銀、亜鉛生産企業であり、中南米諸国における主要金、鉛生産企業となった。また、貴金属企業であるFresnillo社を子会社に持ち、金属、化学、エネルギー企業を傘下に持つGrupo BALグループ(Alberto Baillères氏が大株主)に属する。 2016年のPeñoles社の生産量は、金が21.6%増の971,500oz、銀が6.4%増の58.1百万oz、鉛が8.3%増の80,7t、亜鉛が8.1%増の286,500tと、銅(2.0%減の10,500t)を除く全ての金属が増産となった。各金属の売上高に占める割合は、金が41.1%、銀が25.5%、亜鉛が11.3%、鉛が5.8%、銅が3.2%、その他(硫酸ナトリウム、酸化マグネシウム、その他金属)が13.1%となっている。 Peñoles社の直轄操業国内鉱山はBismark鉱山、Francisco I Madero鉱山、Milpillas鉱山、Sabinas鉱山、Tizapa鉱山、Velardeña鉱山の6鉱山があり、Naica鉱山は、現在、操業を停止している。また、子会社であるFresnillo社は、Herradura鉱山、Ciénega鉱山、Noche Buena鉱山、Fresnillo鉱山、Saucito鉱山、San Julián鉱山と操業停止中のSoledad-Dipolos鉱山を保有している。中でもHerradura鉱山は、金を最も多く生産する鉱山であり、同社全体の53.6%を生産している。また、Fresnillo鉱山は銀、鉛の主力鉱山(銀27.3%、鉛26.4%)として、Velardeña鉱山は亜鉛の主力鉱山(29.9%)として、そして、Milpillas鉱山は銅の主力鉱山(69.7%)として操業している。Sabinas鉱山、Tizapa鉱山、Velardeña鉱山において本年、来年と最適化を進めており、その間、296mUS$を投じ進めてきたRey de Plataプロジェクトは、2018年に銅、亜鉛、鉛精鉱の生産を開始することとなる。なお、同社は、327mUS$を投じて亜鉛の精製能力を120,000t/年に増強する計画であり、現在は、国内だけではなく、チリ、ペルーに探鉱エリアを拡大させている。 2016年の亜鉛鉱山の直接コストは低下傾向にあり、亜鉛換算で0.39~0.79US$/lbで変動しており、Milpillas鉱山の銅換算の生産コストは2.00US$/lbとなっている。Fresnillo 鉱山は、副産物の収入増等が寄与し、最も生産コストが低下した鉱山となった。 生産コストの低下に加え、金属価格の回復により同社の財務状況は大きく改善しており、2011年以降3年連続で下落していた同社のEBITDAは、2016年には対前年比73.6%増の1,474mUS$となった。Peñoles社は、2017年の生産量予測及びコストを発表していないが、 子会社のFresnillo社の生産量予測は、銀が58~61百万oz、金が870,000~900,000ozと推計されている。また、米国格付会社であるMoody’sは、同社の格付けをBaa3としているが、6月の発表では、金属価格の変動リスク、設備投資額が増加しているにもかかわらず、12~18か月間は強固な金属収入を得られるとし、将来的な見通しを「安定」から「ポジティブ」に引き上げた。