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ニュース・フラッシュ

2017年7月6日 シドニー 山下宜範

豪:環境保護団体、Cameco社のウラン開発認可に関し、WA州政府に訴訟を起こす構え

 2017年7月4日付けの地元紙によれば、Cameco社が計画するYeelirrieウラン開発プロジェクト(WA州)に対してWA州政府が与えた環境認可には法的不備があったとして環境保護団体が州政府に対して訴訟を起こすと報じている。
 環境保護団体のConservation Council of WA(CCWA)は、同プロジェクトに環境認可を与えた前政権の下での認可プロセスに異議を唱えている。
 CCWAによれば、同プロジェクトが行われる地域には希少種の地下生物(地下水内に生息するエビのような形状をした微小な生物)が生息しており、ウラン開発によりこれらが失われると主張している。
 同プロジェクトについては2016年8月に環境保護庁が認可しないよう勧告していたのにも関わらず、当時の自由党・国民党による政権は、2017年3月の州議会選挙の前に認可すべきとの圧力下にあったと見られ、2017年1月に認可を与えていた。
 その後、同年3月の州議会選挙の結果、自由党・国民党は敗れ、労働党に政権交代となった。そして労働党の新政権は新たなウラン開発を禁止したが、前政権下で既に認可されたウラン開発プロジェクトは対象外とした。
今回の訴訟の動きについて同州の環境大臣はコメントする立場にないと述べている。また野党に転落した同州の自由党の党首は、Yeelirrieプロジェクトの環境認可に際しては17項目の厳格な条件が付されていたと述べている。

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