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メキシコ:最高裁判所、Grupo México社に対する市民団体の上告を受理
2017年7月5日付け業界紙によると、メキシコ最高裁判所は、Grupo México社及びその子会社が3年前に引き起こしたBacanuchi川及びSonora川の汚染に対する集団的自衛市民団体(ACDC)の上告を受理したことが明らかになった。
2014年8月、Grupo México社が保有するBuenavista鉱山の第3 SxEwプラント浸出液貯留池の堤防決壊により約40千㎥の硫酸銅液が放出され、その近隣に位置したBacanuchi支流を経て本流であるSonora川を汚染した大災害が発生した。
ACDCは、Grupo México社は、Sonora州の環境、土地や水の生態系に深刻な被害をもたらしたという理由で上告を行ってきた。しかし、地方裁判所における判事は、訴えを却けるものであり、更に、高等裁判所も地裁の裁定を支持したため、同団体は最高裁へアンパロ(憲法に問う訴訟)を提出した。仮に、Grupo México社が同様にアンパロを提出したとしても最高裁はアンパロを受理していたと考えられる。
7月5日、最高裁判所は公式声明を発表している。その内容は、環境問題に対する集団訴訟の適切な解釈及び認証を進めるため、地方裁判所における評価制度を確立していく重要な事項であるとのことであった。
なお、Grupo México社は、既にこの災害に対し環境当局が課した制裁金、Sonora川鉱業振興信託基金2,000百万ペソの拠出を行っており、この基金により支流の洗浄と汚染土壌除去、更に、同災害に直接関係しない住民を含めた7つの郡の住民に対する補償等を実施している。
