ニュース・フラッシュ
2017年8月1日
リマ
栗原健一
コロンビア:住民投票により7つの自治体で鉱業・石油プロジェクトへの拒否表明
2017年7月10日付け地元紙によると、7月9日、Quindio県Pijao市とCundinamarca県Arbeláez市において、鉱業や炭化水素プロジェクト開発の是非を問う住民投票が実施され、Pijaoでは鉱業プロジェクトに対する投票を行った住民2,673人のうち2,613人が、Arbelaez市では石油開発2件に対する投票を行った4,376人のうち4,312人がそれぞれ反対票を投じ、両市共に反対派が圧倒的な勝利を収める結果となった。このうちPijao市はイタリアで起こった「スローシティ」と呼ばれるスローライフ・スローフード運動から発展した地域文化活動を行っており、コロンビア唯一の加盟市となっている。一方、Arbeláez市では2010年にAustralian Drilling Associates社とAlange Energy社に対して、石油鉱区2件の開発が許可されている。
今回の結果により、住民投票で鉱業・石油開発に対する拒否を示した自治体は7つ目となった。
コロンビア国立大学の鉱業思想センターのRomero研究員は、昨今の住民投票のブームは、地方自治体にも鉱業開発に係り開発主体との協議権があるとする、先の憲法裁判所の判決が要因であると説明、さらに住民投票そのものについての法規やプロセスが制定されていないことは早急に解決されなければならない問題だとしたほか、企業との契約違反は、国に対する賠償請求をもたらすことになるとの懸念を示した。