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ニュース・フラッシュ

鉱種:
鉄鉱石
2017年8月16日 シドニー 吉川竜太

ニュージーランド:Trans-Tasman社、South Taranaki Bight海底砂鉄プロジェクトの採掘に関し、海洋利用許諾申請の認可を取得

 2017年8月10日、ニュージーランドに拠点を置くTrans-Tasman社は同社のホームページ上で、ニュージーランド北島南西のタラナキ州沖で同社が推進しているSouth Taranaki Bight(STB)海底砂鉄プロジェクトにおいて、ニュージーランド環境保全庁の政策決定委員会より、同プロジェクトでの砂鉄回収と輸出に関する海洋利用許諾申請の認可を得たと発表した。同社によると、今回の認可はニュージーランドで2012年にEEZ法が制定されて以来、採掘申請がEEZ内で認められた初めてのケースである。
 同社のホームページ上の情報によると、STB海底砂鉄プロジェクトはタナラキ州沖約20kmに設定された採掘区65.76km2に広がる水深20~42mの海底から海砂と共に存在する砂鉄を回収することを目的としたプロジェクトで、同社によると採掘区内のJORC基準資源量は1,043mt、Fe2O3品位は11.28%(カットオフ:3.5%Davis Tube Recovery)と見積もられており、これはFe品位56.31%の精鉱75mt分に相当する。同社の採掘計画では、砂鉄を含む海砂を採掘船から海底に下した2台のクローラーで採掘する予定で、磁力選鉱で砂鉄を回収した後海砂は海底の採掘箇所に戻される。回収された砂鉄は採掘船から一時運搬船で、輸出運搬船に積み替える計画である。
 同社の発表によると、今回の海洋利用許諾申請の認可はニュージーランドの資源業界にとって非常に重要な一歩であり、本プロジェクトの操業はニュージーランドとタラナキ州の経済に良い影響を与える。今後同社は2020年の鉄鉱石出荷開始に向け、採掘船などの建設とインフラの整備を進めることを検討する。一方地元メディアによると、ニュージーランドの各環境団体は今回の環境保全庁の決定を批判しており、また南タラナキの先住民団体は決定を不服として裁判所への申し立てを実施する。

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