ニュース・フラッシュ
2017年10月11日
シドニー
吉川竜太
豪:NGOの報告書により、豪州の鉱業権承認プロセスにおける汚職リスクが指摘される
2017年10月4日付の地元メディアは、NGOであるTransparency International Australiaが10月4日に出版した報告書「Corruption Risks:Mining Approvals in Australia」において、QLD州でCarmichael石炭プロジェクトを推進する印Adani社のインドにおける環境法令違反疑惑を引き合いに出しながら、鉱業業界の利益と持続的開発を阻害する最大の要因の一つは鉱業権承認申請者に対する不適切な適性審査であり、監督官庁は申請者の他国での活動も含めて活動履歴のデューデリジェンスを実施しない限り、汚職や反コンプライアンス行為の記録がある申請者に鉱業権を認可するリスクがあると結論付けている。同報告書ではWA州とQLD州を例として取り上げ、両州とも透明性を伴う高レベルなライセンス承認制度を保有しているが、ロビー団体など外部からの影響を受ける大臣や政府高官の承認が探鉱権・採掘権承認プロセスで必要なこと、特に大規模鉱業インフラプロジェクトの透明性が比較的低いこと、企業から提出される環境影響評価の査定が不適切であること、先住権契約に関する透明性が低いこと、鉱山会社との交渉期間中先住権を主張する団体の代表が実際にはコミュニティの権利を代表していないことなどが、リスクとして挙げられるとしている。
