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ニュース・フラッシュ

鉱種:
鉄鉱石
2017年11月7日 シドニー 吉川竜太

豪:Fortescue社、2018年度に出荷する鉄鉱石に適用される値引き率の拡大を予測

 2017年10月26日付の地元メディアによると、豪Fortescue社は、同社が出荷しているやや低品位な鉄鉱石に対する値引き率適用が長期化する見込みであるため、2018年度における価格実現基準(price realisation guidance:ベンチマーク価格に対する値引き後価格率)を引き下げることとしたと発表した。Fortescue社が輸出している鉄鉱石品位は品位:Fe 62%以上の「高品位鉄鉱石」と比較すると若干低品位の品位:Fe 約58%の鉄鉱石が代表的であるが、この場合ベンチマークとなる高品位鉄鉱石の価格から値引きが適用される。同社は当初2018年の価格実現基準を75~80%としていたが、今般これを70~75%に引き下げる決定をした。同社Nev Power社長は2017年初頭、低品位鉄鉱石に対する値引き率の拡大は短期的なものであると発言していたものの、今回予測が誤りであったことを認めたこととなる。大気汚染の低減と生産効率の向上を意図した中国政府の規制により、中国鉄鋼各社の需要が高品位鉄鉱石にシフトしたことより、値引き率の拡大が予測より長期間継続しているとし、価格実現基準の訂正に踏み切った形となった。Power社長は、値引き率拡大の長期化に関わらずFortescue社は財務上良い状況にあり、世界でも有数の低コスト生産者であることを強調している。

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