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ニュース・フラッシュ

鉱種:
リチウム
2017年11月21日 サンティアゴ 村上尚義

チリ:CORFOとSQM社、Atacama塩湖リチウム採掘契約に係る係争の調停は合意に達せず終了

 2017年10月17日付けメディア報道によると、同年10月16日、CORFOとSQM社のAtacama塩湖リチウム採掘契約に係る係争の調停会議がサンチャゴ商業会議所仲裁・調停センターにおいて開催されたが双方合意に達せず、調停期間は終了となった。
 CORFOはSQM社の鉱業権と採水権の返還を求めて訴訟を起こしており、調停不成立となったため、裁判所が訴訟内容を検討して最終的な判決を下すことになる。
 これまでCORFOとSQM社は直接交渉により、約17mUS$になる遅延した採掘権リース料の支払い、2030年までのリチウム採掘量の拡大、環境モニタリングの実施、および重複する鉱業権の返却について合意に至っている。しかしながら、Eduarudo Bitran Corfo副総裁の要求に応じてJulio Ponce SQM社取締役会会長がSQM社株式を手放し、同社の支配権を譲渡しないため、交渉は行き詰っていた。
 調停会議ではCORFO側からSQM社側に対し、CORFOとAlbemarle社間の契約と同等の採掘権リース料となるように現契約を変更することと引き換えに、SQM社に対して2030年まで採掘許可を与え、リチウムの付加価値製品を生産する企業へ販売するために生産量の25%をチリ国内販売すること、無条件で環境基準を遵守すること、国家へ採水権と鉱業権を返還すること、およびSQM社社長を決定投票者としないことを提示したが、SQM社はこれを拒否した。
 SQM社は、このまま生産を継続すると2022~2023年には生産量が割当枠に達することから、同社が裁判で負けた場合、リチウム採掘量割り当てを増やすために次期政府と交渉することも検討している。

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