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ペルー:Southern Copper社社長、Michiquillay銅プロジェクトその他についてコメント
2018年3月5日付け地元紙によると、Southern Copper社のGonzales社長は、先月20日に同社が落札したMichiquillay銅プロジェクトに関して次のとおりコメントした。
・最大の課題は、La EncañadaやMichiquillayコミュニティといった地域住民に対し、本プロジェクトが彼らに恩恵をもたらすものであることを説得することである。
・本プロジェクトの入札契約には、生産開始までに20年間の期間(このうち社会ライセンスの取得に5年間、探鉱に5年間)が設けられているものの、できるだけ早期に開発を実現したい。今後2年間で探鉱及び住民対策を、その後3年間をかけて鉱山建設を行い、2023年の操業開始を目途としている。
・Buenaventura社がMichiquillay銅プロジェクト開発に対する協力を表明したことについては、Southern Copper社とBuenaventura社は既にTantahuatay金鉱山においてパートナー関係にあることから、Michiquillay銅プロジェクトに関しても同様の協力関係を築く可能性がある。3月後半にはTantahuatay鉱山の操業を実施するCoimolache社の取締役会が実施されることから、その際に本件についても協議される。Coimolache社はSouthern Copper社とBuenaventura社のJVである。
・Anglo AmericanがMichiquillay銅プロジェクトを手放した経緯については、財務的若しくは住民問題の理由の可能性がある。住民問題の防止・対策には政府の積極的な関与が必須である。国による前倒しの支援や対策がなければ、反鉱業派の介入を許し、停止状態となったTia Maria銅プロジェクトの二の舞になる。
・Michiquillay銅プロジェクトの埋蔵量については正確に把握していないものの、Southern Copper社の所有する埋蔵量はCodelcoを抜き現在世界1位である。銅鉱山の操業コストが低いことでも世界トップレベルである。
・Toquepala鉱山拡張プロジェクトに関しては、2018年初頭に完了予定だったものの遅延が発生、そのため2018年の増産量は当初予定の100,000tから40,000~50,000tに減少すること、完全に拡張が完了するのは2019年となる見通し。
・Los Chancas銅プロジェクト(Apurimac州)では間もなく環境影響評価が開始され、投資額は2,500~3,000mUS$となる。本案件はMichiquillay銅プロジェクトよりも生産量は小さいものの、モリブデンの豊富な埋蔵量が強みである。ただしどのような冶金プロセスを採用するかは未だ不明である。
・Tia Maria銅プロジェクトに関しては、政府による鉱山建設許可を待っている。希望としては2018年半ばに建設を開始し、建設には2年間を要する見通し。
・Quellaveco銅プロジェクト開発への参加可能性については、2年前にAnglo Americanと協議して以来、連絡を待っているものの進展はない。もしAnglo Americanが単独或いは三菱商事と共同でQuellaveco銅プロジェクト開発を行った場合は必要なインフラを一から整備する必要がある。その場合、Cuajone銅鉱山やToquepala銅鉱山のインフラを所有するSouthern Copper社との共同開発に比べて高コストとなる。
