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ニュース・フラッシュ

鉱種:
その他 モリブデン
2019年5月29日 リマ 栗原健一

ペルー:地質鉱業冶金研究所、2019年5月31日にColcaプロジェクト、Jalaocaプロジェクトの入札を実施

 2019年5月23日及び27日付け地元紙によると、地質鉱業冶金研究所(INGEMMET)は、5月31日にColcaプロジェクト及びJalaocaプロジェクトの入札を実施する旨発表した。最低入札価格は、Colcaプロジェクト1,570PEN、Jalaocaプロジェクト856PENの合計2,426PENとなっている。
 これら両プロジェクトは、2019年2月まで投資促進庁(PROINVERSION)によって管理され、同庁による入札が予定されていた。本件に関してINGEMMETのLuna長官は「PROINVERSIONは、2年間の期限内にこれら2件のプロジェクトの投資促進や入札を計画していたが、実現できなかったため、エネルギー鉱山省(MEM)に対する期限延長の申請を行っていた。しかし、MEMがこれを認めなかったことから、自由な鉱区申請対象エリアとしてINGEMMETに返却されることになった」とコメントし、そのため最低入札価格も一般の鉱区とほぼ同レベルに設定されている旨説明した。
 一方、地質専門家のCardozo氏は、投資促進庁(PROINVERSION)による入札が実現しなかった理由は、これら2件ではボーリング調査が実施されていなかった、資源量推定によるリスク低減に必要なボーリング調査のデータがない状態で、投資家を誘致することは難しかったとの考えを示した。
 この点に関してLuna長官は、INGEMMETは鉱区付与対象外区域(ANAP)におけるボーリング調査を実施することが法律により禁じられていることを明らかにし、Colca及びJalaoca両プロジェクトはANAPに該当していることから、INGEMMETは地質調査までを担うことができたと説明した。しかしながら、今回の入札においては、応札額が1mPENに達することを期待しているとコメント、その理由として、近傍で活動するSouthern Copper社、Minera Las Bambas社、Hudbay Minerals社等による関心が示される可能性のほか、既に5年間分にわたり実施された探鉱や物理探査等の結果が存在すること等に言及した。
 Jalaocaプロジェクトは、Apurimac州Aymaraes郡とAntabamba郡に位置し、2013年から2014年に実施された地質調査や物理探査によってPucasallaターゲットにはポーフィリー・スカルン型の銅・金の鉱化作用が、Llamojaターゲットにはポーフィリー型の銅・モリブデンの鉱化作用が確認されている。一方、Colcaプロジェクトは、Apurimac州Cotabambas郡に位置し、INGEMMETの地質調査や物理探査において、金や銅の重要なアノマリーが示されており、深部にはポーフィリー型やスカルン型の鉱化作用が存在する可能性や、これらを探鉱することで中規模から大規模の鉱床が発見される可能性があるとされる。

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