インドネシア：Antam、フェロニッケル生産等下流事業に多額の投資、追加輸出許可も取得へ

　2019年5月21日付け地元メディアによると、国営非鉄金属会社PT Antam（PT Aneka Tambang）のArie Prabowo Ariotedjo社長は20日、フェロニッケル生産等の下流事業2件に対し総額72～132億US$の投資を計画していると発表した。
　2件のうち1件目は、電池材料生産の中国Zhejiang Huayou Cobalt社（浙江貨友コバルト業股份有限公司）、国営鉱業持株会社PT Inalum（PT Indonesia Asahan Aluminium）等と共同でリチウムイオン電池向けニッケルカソード生産工場を建設する（投資額60～120億US$）。本工場にはAntam所有の北Maluku州東Halmahera県Tanjung Buli鉱山及び南東Sulawesi州北Konawe県Tapunopaka鉱山から原料のニッケル鉱石を供給する計画で、工場の場所は両鉱山近辺を選定する。同社長は、5月中の基本合意書署名と3か月以内でのJV会社設立に意欲を見せた。
　また2件目は、Shandong Xinhai Technology社（山東鑫海科技股份有限公司）と共同で西Papua州Gag島にフェロニッケル製錬工場を建設する（投資額12億US$）。生産能力はフェロニッケル4万t/年Ni含有量、ステンレス鋼60万t/年、2020年着工、2022年稼働が目標である。
　なお、5月27日付け地元メディアによると、同社は低品位ニッケル鉱石の追加輸出許可も申請中である。これは上記Tapunopaka鉱山からの生産量増加が理由であるが、申請量は明らかにされていない。