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ニュース・フラッシュ

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2019年7月25日 メキシコ 佐藤すみれ

メキシコ:Grupo México社による硫酸流出事故、世論からの批判は免れず

 2019年7月22日付け地元紙の報道によると、墨Grupo México社による硫酸流出事故に関し、(2019年7月17日付 ニュース・フラッシュ:墨Grupo México 社による硫酸流出事故が発生、政府による調査が予定参照)、同社が環境影響評価書を提出しなかったことから、連邦環境保護局(Profepa)は、同社がGuaymas港に保有する海上ターミナルの一部閉鎖命令を下した。地元メディアは、同港湾付近で発見された複数の海洋生物の死骸を公開した他、過去に起こった22件の環境汚染事故に関し、原因は同社にあったと報道した。しかしこれに対してGrupo México社は、硫酸の流出は一時的なものであり、アルカリ性の海水と接触することで急速に中和されたと説明した。また、野生生物に対する危害は今回の事故とは無関係であり、指摘されている22件の汚染事故のうち18件は虚偽の報道であるほか、2件は当時同社が保有していなかった施設で発生したものであると反論している。残る2件は今回の事故と、2014年にBuenavista銅鉱山で発生した銅浸出液流出事故であり、どちらも汚染された港及び川は完全に対策が取られていると主張した。Guaymas港湾局は今回の事故に関し、Grupo México社の立場を支持している。環境天然資源省は現在調査を進めているが、同省大臣は甚大な被害は確認されていないと既にコメントしていることからも、Grupo México社の発表と相違ない調査結果が発表されるとみられている。しかしながら地元紙は、既にメディアによって報道された海洋生物への被害映像により、世論は引き続き同社に懐疑的な目を向けるであろうと述べている。

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