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2019年7月30日 メキシコ 佐藤すみれ

メキシコ:国内鉱業に対する信頼は回復基調に

 2019年7月24日付け地元紙は、金属価格の上昇と国内政治に対する懸念の緩和から、国内鉱業部門に対する信頼が回復基調にあると報じており、以下その概要である。
 メキシコ鉱業会議所(CAMIMEX)は、2019年対鉱業部門投資予想額を当初2,600mUS$と発表したものの、その約2か月後にはほぼ倍となる5,343mUS$に上方修正をしている。政治面に関してCAMIMEXは、López Obrador大統領による鉱業政策の不確実性により悲観的な見解を示していたものの、業界内の懸念事項であった鉱業法改正法案は上院では成立せず、現政権にとって同法改正は優先事項ではなかったと考えられている。さらに地元紙は、企業と政府が掲げる目標が一致していることにも着目すべきと報じており、Quiroga鉱業次官は過去に同紙のインタビューに対し、鉱山開発により雇用と投資を増やすことで、貧困層及び辺地の生活環境改善が期待されており、これは正に現政権の目指す処であると述べていた。
 新規プロジェクトに対する投資額は2018年の324mUS$から2019年は769mUS$に増加することが見込まれている。2019年は、2020年に生産開始予定のプロジェクトに対し重要な投資が行われるとみられ、墨Fresnillo社のJuanicipio銀・金プロジェクト(395mUS$)、米Southern Copper社のEl Pilar銅プロジェクト(310mUS$)やPilares銅プロジェクト(159mUS$)に注目が集まっている。
 探鉱費は2018年の595mUS$から2019年は562mUS$に減少すると予想されている一方で、Fresnillo社は20mUS$を追加投入し、計60mUS$の計画を発表していることも良い兆候である。しかしながら、治安対策費は2018年の32.9mUS$から2019年は40.1mUS$に引き上げられ、麻薬組織の抗争による治安問題は引き続き最大の課題となっている。

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