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ニュース・フラッシュ

鉱種:
レアアース/希土類 ニオブ
2019年8月28日 モスクワ 秋月悠也

ロシア:Rostec社、Tomtorレアアースプロジェクトから撤退

 2019年8月14日付けの地元報道等によると、Rostec社は、Sakha共和国(Yakutia)Tomtor鉱床におけるレアアース採掘・処理のためのICTグループ(Aleksandr Nesis社長)との合弁事業から撤退した。鉱床開発者であるTriArk Mining社におけるRostec社の持分(25%プラス1株)は、East Mining Company社のOleg Misevra取締役会長(SUEK社元社長)が関係するキプロスのZaltama Holding社に譲渡され、残りの75%マイナス1株は、East Mining Company社の共同所有者でもあるICTグループが引き続き保有する。
 Rostec社は、2013年に参入した合弁から撤退した理由について、政府から6年前に課された鉱床開発関連の任務を完遂したためと説明している。現在、同社は別の任務に重点を置き、特にKabardino-Balkar共和国Tyrnyauz鉱床のタングステン・モリブデン鉱石の採掘・処理再開に向けた取り組みを継続する。
 TriArk Mining社によると、Tomtor鉱床Buranny鉱区の開発開始は2022年、フル操業化は2024年、Krasnokamensk市の湿式製錬コンビナートの操業開始は2024年を予定している。同社は、実施に時間を要することについて、Tomtor鉱床における鉱石からのレアアース回収技術に類似のものがなく、ロジスティクスも複雑なためだと説明している。
 Buranny鉱区の埋蔵量は鉱石30.5百万t、平均品位は五酸化ニオブ3.99%、レアアース酸化物10.59%、酸化スカンジウム0.04%である。Krasnokamensk市のコンビナートのニオブ生産能力は10千t/年で、ニオブは鋼鉄生産に利用される。

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