閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
亜鉛
2019年9月10日 北京 関淳夫

中国:「鉛亜鉛産業規範条件」改訂版、2015年版との比較解析

 安泰科によれば、2019年9月3日、中国工業情報化部・原材料工業司は、「鉛亜鉛産業規範条件に関する意見募集」を発出し、意見募集(パブリック・コメント)を行っている。
 なお、今回の「鉛亜鉛産業規範条件(2015)」発布前には、鉛亜鉛産業界では、「鉛亜鉛業界への参入許可条件(2007)」が基準として業界管理が行われている。今回の「鉛亜鉛業界規範条件に関する意見募集」はこの2015年版の基準改訂を行うものである。当該「規範条件」は生産活動している鉛亜鉛鉱山、あるいは鉛亜鉛精鉱や亜鉛を含む二次資源等を原料とする鉛亜鉛製錬企業に適用するものであり、産業全体の技術改善や規範化を図るガイドブックである。
 安泰科は、意見募集に対し下記のとおり解析した。
・「鉛亜鉛産業規範条件(2015)」と比べ、規範条件に適用する対象設定を変更した。これまで対象としていた新規建設や改善する鉛亜鉛鉱山および製錬プロジェクトを対象外と設定し、生産稼働した鉛亜鉛企業のみに向けている。
・生産規模については、これまでは新規に建設した中小規模鉱山企業や製錬企業の生産規模に対し設定したものであったが、柔軟性のある生産規模設定に変わり、各種生産技術の高度化やエネルギー消費指標の最適化を奨励し、産業全体の規範化且つ健全な成長を図ることとした。
・採掘、選鉱、製錬におけるエネルギー消費や回収率の向上に対し、より高い基準を設定し、特に鉛亜鉛鉱山に対する採掘、選鉱エネルギー消費基準を大幅に引き上げ、同時にいくつかの新しい基準も設定し、付け加えた。
・本意見募集は、鉛亜鉛産業の環境配慮型成長、イノベーション成長または共同成長をより強く求めるものである。
 なお、本意見募集については、具体的な実行期間は明白に定められていない。正式発表後、「鉛亜鉛産業規範条件(2015)」が廃止され、これまで発表した条件に適用する企業については、条件の改訂版を実施した後、再度申請する必要がある。

ページトップへ