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2019年9月12日 メキシコ 佐藤すみれ

メキシコ:AMLO大統領、鉱業基金を利用し教育機関に投資する案を発表

 2019年9月9日付け地元紙は、Andrés Manuel López Obrador(AMLO)大統領が鉱業基金を教育に対する投資に役立てると発表したと報じている。同大統領は、San Luis Potosí州を訪問した際の演説にて、鉱業基金を国内の各州立学校に直接分配し、PTAのさまざまなプロジェクト予算に充てると発表した。過去の政権時における鉱業基金の運営には多くの腐敗が指摘されているが、大統領は基金を教育関連に利用することでその問題は解消されるとし、「すべての保護者が子供のためにより良い教育施設を望んでおり、誰がその資金を着服しても許さないだろう」と演説で述べた。
 しかしながら鉱業基金の利用に関する大統領の発言は一貫しておらず、2019年4月には住民対象の無利子融資案を発表していた。鉱山企業にとっては、地元住民からの協力を得るのに鉱業基金が役立っていることもあり、今後の利用方法は重要な論点となる。さらに、大統領が今回訪問したSan Luis Potosí州Charcas市における演説では、同市に対する分配額はおよそ25mMXN(メキシコペソ:約1.3mUS$)となることを発表したものの、分配時期等の詳細には触れておらず、地元紙は、根拠に基づいた然るべき方法で分配しない限り、鉱業に対する住民の理解は得られないと指摘している。また、今回の提案は保護者の間で広く好評を得ていることから、基金の運営方法変更に対し反対の立場をとっている地方政府関係者らにとっては都合の悪い状況となることも報じられている。

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