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ニュース・フラッシュ

鉱種:
亜鉛
2019年9月17日 メキシコ 森元英樹

メキシコ:2019年第2四半期の亜鉛、鉛生産量、対前年同期比減も先行きは明るい兆しも

 メキシコ主要鉱山企業の亜鉛及び鉛の2019年第2四半期生産量は、アクセス道封鎖問題、品位低下により前年同期を下回った。他方、亜鉛、鉛を産出する2つの新しいプロジェクトが動き出すことから、生産量の回復が期待される。
・亜鉛:主要亜鉛鉱山企業4社(Industrias Peñoles社、Minera Frisco社、Southern Copper社、Newmont Goldcorp社)の2019年第2四半期の総生産量は110,272tとなり、前年同期の138,013tを下回った。Newmont Goldcorp社が保有するPeñasquito鉱山では鉱山アクセス道が封鎖(2019年6月20日付 ニュース・フラッシュ:Peñasquito多金属鉱山封鎖解除、生産再開へ参照)され操業が一時停止した結果、亜鉛の生産量は前年同期の35,154tから11,340tにまで減少した。Peñoles社は、Fresnillo鉱山、Sabinas鉱山の品位、回収率低下等により前年同期の71,054tから69,484tへ減少、Minera Frisco社も、Asiento、San Francisco del Oro両鉱山の品位、回収率低下により前年同期比15%減の11,712tとなった。なお、Southern Copper社は微減に留めた。
・鉛:主要鉱業会社3社(Industrias Peñoles社、Minera Frisco社、Newmont Goldcorp社)の2019年第2四半期の鉛生産量は、前年同期の36,221tから28,963tに減少した。Newmont Goldcorp社は、亜鉛同様にPeñasquito鉱山の問題から前年同期の12,156tから5,443tに生産量は大幅に減少した。また、San Francisco del Oro鉱山及びSabinas鉱山の品位の低下とFresnillo鉱山の回収率の低下により、Peñoles社とFrisco社についても生産量は対前年同期を下回った。
 今後の見通しとして、Peñasquito鉱山では、道路封鎖が6月に解除されたことから生産量は回復基調を示している。また、Peñoles社がGuerrero州に保有するCapela Miningプロジェクト(旧Rey de Plata)が2019年第3四半期に生産開始する見込みであり、同プロジェクトからは銀、銅のみならず、亜鉛40千t/年、鉛8.6千t/年の生産が予定されている。San Martín亜鉛鉱山(Southern Copper社)では、長年のストライキを経て生産再開が予定されおり、銀、銅、鉛に加えて、14.6千t/年の亜鉛が生産される予定である。

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