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メキシコ:Sonoraリチウムプロジェクト、中国からの資金調達が最終段階
2019年9月17日付け地元紙は、2019年8月に英Bacanora Lithium社が中国Ganfeng Lithium社(贛峰リチウム業)と戦略的パートナーシップ契約を締結(2019年8月27日付ニュース・フラッシュ:Sonoraリチウムプロジェクトの資金調達に関する最新の動向参照)した件について、資金確保の最終段階にあるとして、Sonoraリチウムプロジェクトの関係者インタビュー記事を掲載した。概要は、以下のとおり。
・Ganfeng社は、電気自動車用バッテリー製造拡大に伴う、リチウム需要の拡大を前に開発が円滑に進むための支援を提供する。同プロジェクトは、生産開始時には17.5千t/年のバッテリーグレードの炭酸リチウムが生産可能であり、同生産量は第2フェーズで2倍となる。
・Ganfeng社との契約締結は信頼性向上に寄与する。リチウム価格の下落、プロジェクトの初期開発資金調達の不透明性から、同プロジェクトは市場から信頼を失う場面があった。このため、これまでに出資のあったパートナーの意見を再確認し、戦略的パートナーを得ることにより同プロジェクトの地位を確保した。信頼性に加えて、実行上のリスクを排除し、機器、プラントを安価に調達するための経験をGanfeng社がもたらすこととなる。経済的だけでなく実質的な利がある。
・Bacanora社がGanfeng社から資金調達を継続するために必要な3つの承認プロセスのうち2つが終了した。生産開始時期は、2019年前半に融資を受けた場合として2021年を想定していた。このため、建設期間を18~24か月とした場合、2021年後半の試験操業が見込まれる。
・同プロジェクトパイロットプラントでは、高品質の99.5%炭酸リチウムを生産でき、バッテリーグレードの製品を提供する能力がある。さらに、拡大する需要を満たすために拡張も可能であり、2025年の約1百万t/年体制に対応できる事業である。現在は中国が需要を促進し、高品質素材の競争が起こっていないが、欧州自動車メーカーが動き始めると品質の高いリチウムが必要になる。
