メキシコ：Peñasquito多金属鉱山において住民による道路封鎖が再発

　2019年9月16日付け地元紙によると、Newmont Goldcorp社がZacatecas州に保有するPeñasquito多金属鉱山において、9月15日より再び抗議活動が勃発し、鉱山道路が封鎖された。同鉱山では2019年6月より道路封鎖活動が3か月間に亘って実行され、その後Zacatecas州政府仲介のもと交渉が行われていた。9月15日に行われた会議でNewmont Goldcorp社は地元住民に対し、スイミングプールやスポーツ施設等の建設を提案したものの、住民は同案を拒否した後、封鎖を再開することで一致したという。地元NGOの代表者によると、同社は水資源への影響に対し近隣住民に補償を行っておらず、水源と農業井戸5か所がすでに枯渇しているという。一方でNewmont Goldcorp社は、コミュニティに対する水資源確保のため、浄水施設、井戸掘削、排水施設等90件以上のプロジェクトを計画中と主張している。同社は誠意をもって住民との交渉を続けることを望んでおり、このように違法な妨害によるものではなく、政府仲介の下で交渉することによって住民がよりよい利益を得るよう望んでいるという。また9月17日の報道では、Zacatecas州知事が政府を代表し住民とのダイアログ（対話）に参加することを発表した。Alejandro Tello州知事は、州警察に頼ることなく、紛争が解決に至る最後の段階まで対話を行うことを約束している。
　なお、同鉱山の2019年生産目標は未だ下方修正されず、金5.13t（165千oz）、亜鉛111千t（245百万lb）、鉛81.6千t（180百万lb）、銀777.6t（25百万oz）と据え置かれている。