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ニュース・フラッシュ

鉱種:
2019年10月9日 メキシコ 森元英樹

メキシコ:停滞していた貴金属鉱山開発が進展する可能性

 2019年10月5日付け地元紙は、計577mUS$の資本投資が見込まれる5つのプロジェクトから、2021~2023年の間に266千oz/年の金(換算)生産が開始する可能性があると説明している。概要は以下のとおり。
 米Argonaut Gold社がBaja California Sur州に保有するSan Antonio金プロジェクトは、環境天然資源省(SEMARNAT)が帯水層への影響等に関する追加情報が必要であるとして環境影響評価書を承認していなかったが(2016年12月20日付 ニュース・フラッシュ:環境天然資源省(SEMARNAT)、米Argonaut Gold社San Antonio金プロジェクトの環境影響評価書を承認せず参照)、同社関係者は2019年第4四半期に吉報が届く可能性があるとコメントしており、鉱山開発が進展すると、初期資本投資額84mUS$、平均直接コスト553US$/oz、マインライフ15年(金換算74千oz/年)の鉱山が誕生する。
 同じくArgonaut Gold社がGuanajuato州に保有するCerro del Galloプロジェクトでは、PFSが完了する予定である。現在の予測では、金、銀、銅が生産され、マインライフは7年、平均直接コスト516US$/oz、金換算95千oz/年が生産される見込みである。
 加SilverCrest Metals社がSonora州に保有するLas Chispas金・銀プロジェクトは、環境許可を取得、現在100mUS$の開発資金調達を進めており、8月時点で49mC$(約37mUS$)を確保した。実行可能性調査を2020年までに完了し、2022年の商業生産開始を目指す。同プロジェクトのPFSでは、操業開始後4年間の生産量は銀換算13.7moz/年、全維持コスト(AISC)は平均4.89US$/oz、銀価格16.64US$/oz、金価格1,269US$/ozと見積もった場合の税引き後IRRは78%と推計されている。
 加Orla Mining社がZacatecas州に保有するCamino Rojo金・銀プロジェクト(2019年6月28日付 ニュース・フラッシュ:Orla Mining社、Camino Rojo金・銀プロジェクトのFS結果を発表参照)は、同社幹部が資金調達契約の状況を数週間以内に発表する予定であり、そこで2020年の建設開始、2021年の生産開始を公表できると述べた。さらに、同社関係者は、近隣に鉱区を保有するFresnillo社と開発に係る協議を進めており、2020年に同協議を完了させ、開発区域の拡大が可能になると説明した。
 加Endeavour Silver社がJalisco州に保有するTerronera銀・金プロジェクトは、6月に関連許可が承認(2019年6月24日付 ニュース・フラッシュ:加Endeavour Silver社、Terronera銀・金プロジェクト開発に係る全必要許可を取得参照)され、現在、事前実行可能性調査が行われており、同社幹部は資金調達が近く合意され、商業生産は2021年第2四半期になると述べた。

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