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ニュース・フラッシュ

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2019年10月25日 メキシコ 森元英樹

メキシコ:左派AMLO政権誕生後、初の国際鉱業大会開幕(鉱業州知事が開会式挨拶で異例の連邦政府批判を展開)

 2019年10月22日、2年に1回のペースで開催され、メキシコにおける金属及び非金属に関する鉱業関係の催事としては最大級となる第33回メキシコ国際鉱業大会がアカプルコにて開幕した。今年は、左派系大統領であるAMLO政権誕生後(2019年2月5日付 カレント・トピックス19-06:左派系大統領就任、その行方は?参照)初めての大規模な国際鉱業大会というだけではなく、2019年10月には、鉱業州における貴重なインフラ整備等の財源であった鉱業基金に係る連邦関税法改正が連邦下院で可決(2019年10月23日付 ニュース・フラッシュ:鉱業基金の撤廃に係る連邦関税法改正が下院の委員会で可決参照)されたことから、4州(Zacatecas州、Chihuahua州、Durango州、Guerrero州)の知事が急遽参加、同開会式において連邦議会及び政府の鉱業基金政策の批判、要請を行うという異例の幕開けとなった。
 Javier Corral・Chihuahua州知事は、開会式に出席した4州の知事と鉱業基金を配分する州への基金の返還を求める緊急提言書(同意書)に署名を行い、AMLO大統領宛て書簡として送付したことを明らかにした。道路、学校、飲料水、下水道整備の予算が地方にはないことを背景としており、鉱業基金は連邦のみではなく州に帰属しているものであると説明した。
 さらに、Alejandro Tello・Zacatecas州知事は、2013~2018年まで約180mMXN(メキシコペソ:約12億円)の鉱業基金を得たとし、鉱業基金は引き続き鉱山のある州及びコミュニティの状況により使用されるべきと主張、José Rosas Aispuro・Durango州知事も、連邦政府の新たな決定は、鉱業活動が行われている自治体の環境改善資金を奪うものであると非難した。
 なお、同開会式に政府代表として参加していたFrancisco Quiroga Fernández鉱山次官(副大臣級)は、可能な限り直接、迅速、且つ厳格な使用が必要と説明していたが、開会挨拶では、メキシコの鉱業活動は経済発展に大きく関連するものであり、鉱業の将来性をアピールする短い挨拶を行ったのみであり、鉱業基金について特に触れることはなかった。
 同大会は25日まで開催される。

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