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メキシコ:加Endeavour Silver社CEO、国内鉱業政策に対し辛辣な意見を述べる
2019年10月23日、第33回メキシコ国際鉱業大会において加Endeavour Silver社のBradford Cooke CEOは、「衰退傾向にあるメキシコ鉱業の未来」をテーマに講演を行った。同社はメキシコにおいて15年の活動経験を有し、現在5件の鉱山において生産を行っているが、90年代と比較し現在鉱業分野の投資環境はより厳しくなっていると主張した。メキシコでは、1991年に外資による100%の出資が認められ、1993年にはNAFTA発行により自由貿易と投資が促進されたほか、当時の安定した財政体制により、かつては有望な鉱業投資国であったと述べた一方、国内で鉱山操業を行う主要20社を対象としたアンケートの結果に基づき、以下8項目を現在の主要課題として挙げた。
1.連邦政府の反鉱業的姿勢:大統領の権限によるLos Cardones金プロジェクト(Baja California Sur州)の開発中止決定、またToledo環境大臣による、新規鉱業権付与は行うべきではないとの発言等
2.政府が抱える矛盾:連邦政府と州政府間の協力不足、政府職員の経験不足等
3.治安問題:取締まりの強化不足による、麻薬組織および一般犯罪の急増
4.法の支配:正当な手順を踏まずに強行された、空港やパイプライン建設等契約の破棄
5.不安定な税制:複雑な税制、税率の増加検討と不明確な使途
6.企業への税高負担率:収入に対する30%、特別鉱業税7.5%、消費税16%、地方税、労働者利益分配金10%、源泉徴収4.9~40%等
7.雇用問題:労働コストが年間のインフレ率以上に上昇、労働裁判所は事実に関係なく労働者側を擁護する傾向にあり、企業にとって不利
8.住民およびエヒード問題
以上の点が改善されない限りメキシコ鉱業の未来は明るくなく、企業に今後も地域開発と経済成長への貢献を求めるのであれば、政府に対してリスクを低減させ、より低コストで鉱山開発が可能となる政策を打ち出す必要があると主張した。Endeavour Silver社は現在国内でTerronera銀・金プロジェクト(Jalisco州)の開発およびParral銀プロジェクト(Chihuahua州)の探鉱を進めており、同社は今後も前進していくと述べ、講演を締めくくった。
