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ペルー:Southern Copper社、Tía María銅プロジェクト2024年操業開始の見通し示す
2019年10月25日付け地元紙によると、Southern Copper社は、2019年第3四半期報告書の中で、Tía María銅プロジェクト(Arequipa州)の状況や抗議問題の背景に関する説明を行った。報告書において、同社は、本プロジェクト反対派を①環境団体、②農家、③政治家の3グループに大別できるとした上で、①に関しては、本プロジェクトでは淡水化海水の利用をはじめ、廃滓は発生せず排ガス量は最小限であること、鉱石や精鉱はドーム型の建物に保管し粉塵の拡散も起きないことなどが説明されている。また、プロジェクトは砂漠地帯に所在し、プラントはTambo渓谷から11kmの距離に位置することから渓谷に影響が及ぶことはないとし、環境団体の主張は根拠のないものとの見解を示した。
次に②については、農業と比べ鉱業における賃金は高いとされることから、一部の農家はTía María銅プロジェクトの実施による地域全体の人件コスト上昇や、農業労働者不足の発生を懸念していると説明した。その上で、鉱業における専門性は高く、鉱業労働者の給与カテゴリーが農業労働者の給与カテゴリーに影響を与えないことは、ペルー各地の様々なコミュニティにおいて証明済みであるとし、②の懸念についても特段の根拠を持たないものとの見解を示した。
一方同社のJacob財務担当副社長は、プロジェクト反対派から提出された鉱山建設許可に対する3件の見直し請求に関し、10月末にエネルギー鉱山省鉱業審議会から最終判断が示されることを期待するとコメントし、今後も地域社会との合意形成や鉱山建設に取り組み、2024年の操業開始を目指す方針を明らかにした。
さらに、Los Chancas銅プロジェクト(Apurímac州)においては現在環境影響調査を実施しているとした一方、Michiquillay銅プロジェクト(Cajamarca州)では、地域コミュニティとの関係形成に向けた活動に重点的に取り組んでいるとコメントした。
