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ニュース・フラッシュ

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2019年11月1日 バンクーバー 川井隆宏

米:米AK州のPebble銅・金プロジェクトに係る許認可プロセスに関する進展

 加Northern Dynasty Minerals社の2019年10月28日付けニュースリリースによると、米AK州のPebble銅・金プロジェクトに係る許認可プロセスに関して、米議会での議論が進展している。
 10月23日にNorthern Dynasty社の子会社であるPebble Partnership(PLP)社のTom Collier CEOが、Pebbleプロジェクトに係る連邦政府の環境影響評価(EIS)許認可プロセスに関して議論するため、米国議会の委員会に招聘された。
 また、民主党が委員長を務める同委員会にはプロジェクトの反対派6人(活動家やコンサルタントを含む)が、証人喚問のために同様に招聘された。これらのプロジェクト反対派は、Pebbleプロジェクトに係る米国陸軍工兵隊(U.S.Army Corps of Engineers:Corps)による最終EIS公表及び、決定記録(Record of Decision:ROD)発行に向けた動きに警戒感を示している。
 同プロジェクトに関しては、下流に位置する河川及びBristol湾への環境影響を危惧する地元住民の反対運動等を受けて、2014年のオバマ政権下で連邦環境保護庁(U.S.Environmental Protection Agency:EPA)により水質浄化法(Clean Water Act:CWA)第404(c)条※に基づく開発差し止め命令が出されていた。しかし2017年になって、トランプ政権下の連邦議会の後押しを受けて一部活動が再開され、2019年2月にCorpsにより前向きなEISの草案が公表されたことに伴い、2019年7月にEPAはCWA 404(c)条に基づく開発差し止め命令を正式に撤回している。
 現在、Pebbleプロジェクトに係る許認可プロセスは通常の国家環境政策法(National Environmental Policy Act:NEPA)に基づくレビュープロセスに移っており、今後、Corpsによる最終EISの公表・レビュー後に、RODの発行というプロセスを経る。
※CWA 404(c)条はCorpsや各州が有する湿地帯等への浚渫物などの廃棄許可権限に対して、環境保護を目的にEPAが拒否権を発動できるというもの。

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