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ニュース・フラッシュ

鉱種:
2019年11月6日 リマ 栗原健一

ペルー:Tía María銅プロジェクト、環境評価・監査庁(OEFA)が現地入り、環境大臣はEIA修正にも言及

 2019年10月31日~11月4日付け地元各紙によると、ペルー政府は、鉱業審議会のTia Maria銅プロジェクト(Arequipa州)鉱山建設許可追認に対する反発が起きていることに関し、今後も対話交渉を継続すると共に、社会的な合意が得られない間はプロジェクトの強要はできないとの方針を改めて示した。
 このうちAlva経済財務大臣は、鉱業審議会の判断はあくまでも行政手続き(鉱山建設許可)の有効性を確認したものだとし、鉱山建設許可の取得は必要だが、それで十分なわけではなく、次の段階として社会・環境面のコンディションを整える必要があると説明した。
 一方、環境省傘下の環境評価・監査庁(OEFA)は10月31日からTia Maria銅プロジェクトの査察を開始し、本プロジェクトにおける環境影響調査書(EIA)の履行状況、試錐座やボーリング孔の閉鎖状況などを確認している。なおOEFAのTorres長官は、実施中の査察結果に基づき、本プロジェクトの環境影響調査書(EIA)を一部修正する必要が生じる可能性があるとコメントした。
 これに関連して、Muñoz環境大臣は、Tia Maria銅プロジェクトのEIA承認後に、本プロジェクト地域内のPampa Cachendoと呼ばれるエリアが森林・野生動物庁によって「脆弱な生態系」として指定されたことに関し、「脆弱な生態系」における産業活動は禁止されているわけではないが、Southern Copper社は環境負荷を最小限に留めるための措置を講じなければならないと説明した。さらに、EIAの修正により、社会争議問題を打開できる可能性があるとの考えを示した。
 なおTambo渓谷では、抗議デモの継続が決定されたものの、地元農家は収穫期でもあり、現時点においてデモの激化は伝えられていない。一方内務省は、Matarani港における警察の治安維持活動に対する軍隊支援を、11月3日から12月2日まで延長することを決定した。

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