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ニュース・フラッシュ

鉱種:
リチウム
2019年11月12日 金属企画部 小口朋恵

チリ:リチウム開発によりAtacama塩湖の水資源が危機と地域住民が主張

 2019年11月7日付け地元紙は、11月上旬、欧州のメディアでAtacama塩湖の水資源が危機だと報じられたことに触れた。Atacama塩湖周辺住民が、「ここでは、かつて行われていたトウモロコシ栽培がもう何年も行われていない、フラミンゴもほとんどがいなくなってしまった、その原因は水不足にある」、「家畜用の水も買わなければ得られないが、高くて払えなくなってきている」、「ここは世界で最も乾燥した場所のひとつとはいえ、かつては生活用水があった、しかしSQM社は地下から60百万m3/年採水し、地下水面は下がり続けている」と主張した。
 これに対しSQM社は、地域の水資源のバランスについては厳格な管理を行っているとしているが、長期的な調査は行われておらず、この開発の環境影響は明確に示されてはいないという。
 現地コミュニティAtacameños市民委員会(Consejo de Pueblos Atacameños)のSergio Cubillos委員長は、「世界中で持続性やグリーンエネルギーについて論じられているが、基本的なことには触れていない、それはグリーンエネルギーに必要なリチウムの開発により地域が受ける影響である。住民とSQM社間だけで話し合う問題ではなく、国家に対して行う国際的な要求だ。世界レベルで我々の問題を認識してもらうのが重要だ」と述べた。

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